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北の遍路道。心の安らぎを求めて3,000q

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開創の大事

院長写真

先徳先人の常に夢見た北海道全域に及ぶ八十八ヶ所が、去る平成18年10月15日午後1時より、旭川智山派眞久寺(住職久志卓世師)に於いて、高野山真言宗管長の資延敏雄猊下、並びに四国八十八ヶ所霊場会長・高野山真言宗宗務総長の庄野光昭師、大勢の御来賓をお迎えして開眼・開場の大法要が厳修されました。大法要には真言宗各派僧百名になんなんとし、参加者は千二百名を数え、僧俗共に法悦歓喜のもとに執行されました。お大師様のお導きはもとより、諸先師様が切り開いた道があり、そして篤信の僧俗の熱信によって、北海道にかつてない霊場が完成したのであります。
 明治以来、昭和に入っても北海道の道路事情は険しく、どのお寺も自身の寺の基盤を作り上げるの精一杯でありました。しかし、四国八十八ヶ所や西国三十三番札所などへの霊場巡拝の願望は強く、特に故郷を四国や西国におく人は、殊更に厚かったことでしょう。その小願が大願となり、境内地に或いは近くの清山の地域に、次々と小霊場が開設されたのでありました。
 又、北海道全体に亘る霊場の発想はずっと以前からあり、その度に種々の事情が重なり、夢を絶たれてのであります。現代に入り自動車・通信等が発達し、今まで会うことも出来なかった真言宗各派の僧俗が交友と研修を共にする時代となり、この時事背景が大事業を完成に導いた原勢であります。
 十年来、上川町豊山派大聖寺住職の伊藤晃全師を核として同志相寄り、研究と発会に向けての努力が次第に同志から同志を生み、ついに霊場会場の実現と相成りました。
 北海道八十八ヶ所霊場八十八体御本尊御製作に、運慶・快慶以来の慶派の流派を日本で唯一人継承せる京都の大仏師松本明慶師が、北海道に新たな文化と信仰がうなれますようにとご自身の確信のもと、美事な御佛像を完成させ誠に歓喜せる出発となりました。
 この北海の地に新たな信仰の道場が生まれたことにより、多くの巡拝者がお大師様のお慈悲の支えとお導き頂くこととなりました。
 「同行二人」の修行となり、お一人お一人の心の安心と、祈念祈願の成就、さらには地域社会の平和と安寧を殊に願うものであります。

北海道八十八ヶ所霊場会




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